Qnew食事に関して相談できる所がなく、困っていました。先日母に大腸がん(ステージ4)が見つかり、手術ではガンをとりきれないので、がんと共に生きる事になります。腸閉塞などの心配もあり、具体的にどんな食事をとったらいいでしょうか。アドバイスを頂けたらとても助かります。
A考えられる心配ごとは、大腸の動きが鈍ったり、腸がふさがるための便秘や腸閉塞、大腸で水分の吸収がうまくいいかなかったりする軟便や下痢などですが、大切なのは「お母様の今のお悩み」に対応できる食事です。これから起きるかもしれない心配事の解消方法を知っておくことも重要ですが、最も大切なことは3度の食事と間食をご一緒に食べられて、「体重が落ちないようにする」ことです。
一緒にゆったりとよく噛んで食べるようにしてください。1回の食事は食べすぎないようにして、間食をしましょう。お腹の調子や排便を考えて、食べてはいけないわけではありませんが、食物繊維は小さく切り、軟らかく煮込みましょう。みそ汁のわかめも大丈夫です。旬のごぼうも香りが良いので、小さく切って煮込めば少量はいただけます。料理の油脂類を少し控えましょう。肉、魚、卵、ダイズ製品など素材から油脂を摂ることができます。ささみ肉やシラスを入れたおじやなども良いです。お豆腐や豆乳、ヨーグルトなども食べやすいです。豆乳鍋も柔らかい野菜を一緒に摂ることができます。
食べる回数や量が極端に減らないように、ゆったりと食事をされるように環境を整えることが大切です。
Qnewチーズを食べすぎると乳がんになりやすいと聞いたことがあります。関係はあるのでしょうか?
A牛乳やヨーグルト、チーズなどの乳製品と乳がんについての科学的データはありません。一日に1回は乳製品を食べることをお勧めします。
Qnew乳がんと診断後、ネットなどで調べて、甘いものやごはんの量(糖質)を減らすようにして、たんぱく質を増やすようにしました。結果、半年で5キロも減ってしまいました。また最近、乳製品や豆乳、果物も乳がんの人はNGという記事をネットで見て、何を食べたらいいのか分からなくなってしまいました。
食欲はあるので、しっかり食べて体力をつけたいです。よい方法はありますか?
A多くの乳がん患者さんから、食べたらいけないもの(✕食)と食べたほうが良いもの(〇食)を教えて欲しいという相談を受けます。自身が食事や栄養についてコントロールしやすい方が多いからだとも思います。そして、ネットや雑誌から多くの情報を得て、混乱している方も多くいます。
最も大切なことは、栄養バランスを考えながらも、過度に心配しないで楽しく食事をする工夫を考えることです。(✕食)と(〇食)と言い切れるものはありません。体重を維持することを目安に、主食と主菜と副菜、そして乳製品と果物をバランスを考えて食べましょう。

※その他の質問は下部に掲載してます↓

パルシステム共済連では、がん経験者(患者本人、家族、知り合い等)に向けて
今後も情報提供をしていきたいと考えています。
下記のボタンより、お悩みや本ページへの感想をお寄せ頂けますと幸いです。

【監修】川口 美喜子先生(札幌保健医療大学大学院教授、大妻女子大学特任教授)

川口先生を取材させていただいた記事を下記にて公開していますので、ぜひご覧ください。

びぃあらいぶ 掲載記事はこちら

 

【その他の質問】

Q母が地域のがん診療連携拠点病院に入院し、その後、通院しながら抗がん剤治療を週一で受けていました。その間、何回も栄養相談、食事の相談をしたいと言っても対応してもらえず、何でもいいから食べろと言われるだけでした…。がん病態栄養専門管理栄養士は入院患者しか対応できないのでしょうか? また、ほかに相談できる場所はありますか?
A病院管理栄養士は外来がん患者にも、がんの栄養食事指導をいたします。主治医では難しい時は、看護師さんに栄養相談を受けたいと申し出てください。対応をしてくださると思います。

また近所に管理栄養士がいる薬局やドラッグストアを探してみましょう。管理栄養士が相談に答えてくれるところもあります。
Q実母ががんになり、立っていられなくなったため、調理をヘルパーに依頼しました。がん患者のために食事を作る経験はなかったようで、食べられないことが多かったようです。ヘルパーに依頼する際は、どのようにお願いすればがん患者のためになるでしょうか?
A私が関わっているカマエイド(https://kama-aid.com/)というサイトは、症状に合わせた沢山のメニューを載せています。簡単調理のものも多くあります。また、レシピとお困りごとの相談も受けています。こちらを参考になさって、ヘルパーさんに作っていただきたいメニューを相談されたらいかがでしょうか。
Q父が末期がんで入院中、最期に桃缶を食べたいと希望していましたが、病院で誤嚥になるからダメと言われ、叶えることができず後悔しています。このような場合、どう対応したらよかったのでしょうか?
A主治医や担当の看護師さんにご本人の希望と家族の希望を伝えることです。管理栄養士は、嚥下機能の程度に応じて、もも缶をゼリーにしたり、濃厚なジュースにしたり、氷にしたり、アイスクリームにすることもできたと思います。
ご本人の最期の希望とリスクをみんなで考えれば、悔いのない最期の食事ができると思います。
Q私は高血圧のため、ふだん食事を制限しています。がんを治療することになったら、なんでも食べていいのでしょうか?
Aがんの治療中でも、生活習慣病のコントロールは大切です。食欲がなかったり、味覚障害で塩味がわからないために食事摂取量が低下した時、塩味があれば食欲が増すようなら、1品は濃い味にします。体重が落ちないように味付けや料理を工夫しながら食べましょう。
Q母は上顎がんでした。いろいろな場所に転移して、何も口に入らなくなった時、経腸栄養剤ドリンクしか選択肢がありませんでした。最期に喜んでもらうため、ほかに食べてもらう工夫はあったのでしょうか?
A最期の食事は口にして食べることも大切ですが、他にもこれまでの食に関わる物語を話したり、大好きな味を少しだけ口にすることもできます。お酒を舐めたり、ぜんざい・オレンジジュースなどいろいろな味をちょっぴり舐めて味わうことで、生きていることを感じます。

また、思い出の料理や大好きな料理を作って、匂いを嗅いだり、目にしたり、そして思い出や料理に関わることを会話する、懐かしい写真を眺めながら、その時の食事の話をしたりすることも大切な「最期の食事」になります。
Qがんではありませんが、70代の母が食事の際によくむせて、咳き込みます。一度、喉に食事を詰まらせて失神しかけたことも。落ち着いてよく噛んで食べるよう言うと不機嫌になります。嚥下力が落ちていることを指摘しても認めず、子どもから言っても反発するばかり…。病院や栄養相談に行ってもらうために、よい方法はありますか?
A病院や栄養指導に行くことは、ハードルが高いと感じる方も多くいます。代わりに近所に管理栄養士がいる薬局やドラッグストアを探してみましょう。

ドラッグストアの栄養士に相談すると、とろみ剤やとろみ剤の使用方法を教えてくれたり、また食事の仕方についても、お母さんの思いを聞きながらすすめてくれると思います。
Qびぃあらいぶ2023年9月4回号の味覚障害の人にできる工夫例はとても興味深い内容でした。ほかにも工夫例があれば、教えてほしいです。
A味覚障害の方は、人生経験で味わったことのない食べる楽しみを奪われてた経験をなさっています。一番は、この状況が一生続くことはないので、体力を付けて回復を待ちましょうと支えています。全て食べられない方にあったことがないので「一緒に食べられる味を探検しましょう」と味探しの工夫を話しています。工夫は資料の中にほぼ書きつ尽くしていますので何度か目を通してみると、新たな気づきもあると思います。
私が関わっているカマエイド(https://kama-aid.com/)というサイトは、工夫したたくさんのメニューを載せています。ご参考になさってください。

(※びぃあらいぶ2023年9月4回号は下部に掲載記事のリンクがあります)
Q食事の管理に苦労しており、時には栄養指導がストレスになることもあります。栄養指導を受けているときに、ストレスを小さくする方法はあるのでしょうか?
A栄養指導を受けている時にストレスを感じる一番の原因は何でしょうか?

栄養指導は、患者さんの食事や栄養の摂り方の不安や、辛さや困りごとを聞く時間です。医師から指示のある食事内容が実行できないこと、コントロールが乱れることや病態が改善しない原因などを栄養士と一緒に考えていくものです。

もし、栄養士が提案することができなかったら、どうしてできないかを一緒に見直します。「私の思いを聞いて下さい。」という時間で良いと思います。栄養士は、できないことができるように一緒に方法に考えて支えたり、その心に寄り添う職業です。大丈夫ですから、まず「私には、このような理由で栄養指導が少し負担になっています。どうしたらよいでしょうか?」と話しかけてください。
Q親に持病があるため「食べたいという気持ちがなくなった」と言い、悲しい思いをしています。お酒も飲めず、外食も制限があります。以前のように食を楽しめるようになるには、どのようにはたらきかけたらよいでしょうか?
Aストレートに食事の話ではなくても、思い出話をしながらその時々に食にまつわる話があれば、そこから食べる話に進めてみましょう。旅、子育て、行事、趣味の仲間、愛読書などから食べることに繋がることがあります。ご一緒に食べる物語を語ってみられると良いでしょう。

食欲がない場合は、私の経験からご相談を受けた方の食の好みなどで以下のような食べ物を話題にすることがあります。
・スープ ・ポタージュ ・味噌汁 ・味の付いた氷 ・紅茶 ・コーヒー ・ほうじ茶 ・アイスクリーム など
Q齢を取ってきたせいか、夏バテなのか、以前は好きだった脂っ気の多いものはあまり食べたくなくなってきました。こうして好きだったものが食べられなくなるのは少し寂しく思います。もしがんになったら、もっと食の好みが変わっていくのでしょうか?
A食べられなくなった原因は何でしょう。
活動量が減って食べたくない。口が渇く。飲み込むのに関わる筋肉が弱くなっている。歯が抜けたり義歯が合わず、十分に噛めない。また、食べることへの関心が無くなる原因として次のようなことが挙げられます。
味覚が衰え、食欲がなくなる。嗅覚が低下して、食欲がなくなる。口が渇き、味覚が消失する。

高齢という活動や能力が低下していく中でも、楽しく食べること、美味しいものを食べることを諦めないようにすることが大切です。対策として、口腔のケアをきちんとする、大きな声で歌う、本を読む、固いものを噛む(せんべい、漬物など)、そんな努力をしてみましょう。

がんになって食の好みが変わるのは精神的な食欲不振や副作用のためです。いつまでも食べることを諦めないために、食べる楽しみを持つよう少しの努力を心がけてください。
Qもし私ががんを告知されたら、食事のことをインターネットで調べると思います。信用できるサイトがあれば教えてください。
A私が関わっているサイトを2つご紹介します。
がんwith(https://ganwith.jp/life/nutrition.html)…食事との向き合い方を事例から紹介しています。
カマエイド(https://kama-aid.com/)…レシピとお困りごとの相談を受けています。
Qもし抗がん剤治療を始めた場合、毎日の食事で気をつけることを教えてください。
A 薬と食品の相互作用がある物については、薬剤師や看護師から説明があります。その他は、がんの発症部位や消化管の働きが低下している場合などを考慮して食事をします。

がんに対して、食べてはいけないもの、食べると病気が良くなるものはありません。体重が減少しないように主食、主菜、副菜と乳製品、果物を摂れるように環境や食生活を整える事が大切です。今日食べられなかったら翌日は、食べられなかった食事を少し多めに食べようと考えます。治療や精神的な面から食欲が落ちて、栄養状態が不良にならないように体調に合わせて、食べることを整えましょう。
食欲が低下したら、管理栄養士に相談して食べる工夫を考えてみましょう。
Q在宅医療でがん治療をしているため、病院に行く機会がありません。管理栄養士の方に相談を受けたい場合はどこに連絡すればよいでしょうか?
A在宅で介護保険を利用されている場合には、主治医、ケアマネジャーにその旨を伝えましょう。また、お近くの薬局やドラッグストアに管理栄養士が所属している店舗があれば相談できます。
Qがん患者用の食事を用意するのがたいへんです。作りおきができるメニューがあると助かるのですが、よいレシピがあれば教えてください。
A私が関わっているカマエイドというサイトは、症状に合わせた沢山のメニューを載せています。また、レシピとお困りごとの相談も受けています。ご参考になさってください。
Q乳がんになりました。ホルモン療法の副作用により骨密度の低下が気になります。カルシウムの吸収を良くする食事について教えてください。
A主治医からホルモン療法の副作用により骨密度が低下することを聞かれましたか?その場合には、骨密度の測定などがあるかもしれません。そして、ご指導もあると思います。

一般論として骨を強くするための食事には、カルシウムとビタミンDとビタミンKが大切です。乳製品、野菜や魚を摂るようにしましょう。
カルシウム…牛乳・乳製品、小魚、干しエビ、小松菜、チンゲン菜、大豆製品など(※骨粗しょう症や骨折予防のためのカルシウムの摂取推奨量は、1日700~800㎎)
ビタミンD…魚(鮭、鰻、サンマ、メカジキ、イサキ、カレイ)、シイタケ、キクラゲ、卵など
ビタミンK…納豆、ホウレン草、小松菜、ニラ、ブロッコリー、サニーレタス、キャベツなど
Q叔母が末期がんで体重が30kg台になってしまいました。食べたいものはなく、何をしても楽しくないと言います。姪の私に遠慮なく頼ってほしいと伝えていますが、悪いからと断られ、もどかしい思いです…。どのように接すれば叔母に頼ってもらえるか、アドバイスをお願いします。
Aストレートに食事の話ではなくても、思い出話をしながらその時々に食にまつわる話があれば、そこから食べる話に進めてみましょう。旅、子育て、行事、趣味の仲間、愛読書などから食べることに繋がるケースがあります。

食欲がない場合は、私の経験からご相談を受けた方の食の好みなどで以下のような食べ物を話題にすることがあります。
・スープ ・ポタージュ ・味噌汁 ・味の付いた氷 ・紅茶 ・コーヒー ・ほうじ茶 ・アイスクリーム など
Qがんで闘病中の父は脳に転移してから、味覚障害と顔面麻痺のため、何を食べてもまずいと言いイライラしています。最近は噛めない、飲み込めない、と症状が進み、ほとんど食べられません。
何が食べられそうか手がかりを掴みたいのですが、あまりいろいろ言ってプレッシャーになっても…と思いますし、露骨にいやな顔をされるのも正直きついです。家族はどうサポートしていけばよいのでしょうか。
A難しいご質問です。

現在の病状とこれまでの食習慣や食の好み、食のこだわり、さらにご本人が食べることで一番苦痛に感じていることを察してあげられると、対応できることもあると思います。

また、栄養補給は、・口から食べる ・経管栄養 ・経静脈栄養 のどれかによって食べることの目的が違ってきます。栄養補給が大切なのか、食べることをあきらめないで支えることが大切なのかということです。

文面のみでは十分に状況が把握できないため、ここで力になれることは少ないのですが、そばにいてこれまでの旅のこと、行事食のこと、イベントのことなどのように、食に関わることについてゆっくりと話してみることはいかがでしょうか。話題の中で気になった食べものを、柔らかくしたり、ゼリーやとろみのついた飲み物にしてあげると良いかもしれません。旬のフルーツを氷にしたり、ゼリーや柔らかく煮ても、季節や旬、味わいを楽しむことができます。
 
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