- ホーム >
- パルシステムの健康・おうえんナビ >
- 4月のびぃあらいぶぷらす
パルシステムの健康・おうえんナビ
4月のびぃあらいぶぷらす
お金を払っている感覚がなく、ついカードなどを使いすぎてしまいます。
ポイントが貯まるという理由でクレジットカードや電子マネー、バーコード決済のアプリを使用しているうちに、もっぱらキャッシュレスで買い物をするようになりました。ポイントが貯まるのは確かにいいのですが、どうも使い過ぎてしまいます。明細の合計金額を見ては驚くことが多く、わかってはいてもなかなか改善できません。キャッシュレスで上手にポイントを貯めながら、ムダ遣いを防ぐいい方法があれば、ぜひ教えてください。
●相談者
40歳/女性/パート勤務
- 現金払いにいったん戻す改善方法は、効果の薄い時代
- ムダ遣いのパターンをあぶり出す“○×法”
- 定期的な振り返りも忘れずに
【 相談者 】
「現金払いに戻した方がいいのでしょうか?」
【八ツ井さん】
かつては有効でしたが、今はそうとは言えません。
日本では、世界的にみるとキャッシュレス決済は進んでいませんが、東京オリンピックを機に政府の後押しもあってキャッシュレス決済が増加してきました。一方で、相談者のようにムダ遣いのデメリットも指摘されています。実際、私の相談現場では、もはやよくある相談の一つになっています。
ムダ遣いを起こしやすい最大の理由は、お財布の中にある現金が減らないことから「お金を使った」という感覚が薄くなることが指摘されています。そのため、改善させるにはキャッシュレス決済をいったん止めて、現金払いに戻すのがかつては有効手段の一つでした。
ところが、交通機関の利用やネット決済などでは、かえって現金決済が不便だったり、そもそも現金が使えないこともあり、いったん現金に戻す方法は、“いい方法”とは言えなくなってきました。
加えて、キャッシュレス決済の普及は、国家レベル、世界レベルで進められており、この流れは止められません。今後は現金よりもキャッシュレス決済がより普通になると予想されます。そんな中に生まれ育つ世代も増えていくと考えると、キャッシュレス決済であっても、上手な“お金使い”を身に付けることを意識していくのがいいでしょう。
【 相談者 】
「“お金使い”が上手になる方法はありますか?」
【八ツ井さん】
レシートを活用するのがおすすめです。
ムダ遣いを抑える第一歩は、自分の「ムダ遣い」に気づくこと。買う前に気づかないと、抑えることができません。そこでおすすめしたい改善方法は、レシートの活用です。現金決済でもキャッシュレス決済でも共通するのは、必ずレシートを受け取る点です(レシートが出ない場合はメモで構いません)。
過去のレシートから自分のムダ遣いをあぶり出し、そのパターンを見つけます。例えば、A)スーパーやコンビニでつい目的以外のものを買ってしまう B)夜中ネットを見ているとつい買ってしまう C)「○%オフ」「限定」があると買いたくなってしまう D)疲れていると洋服の衝動買いが増えてしまう等々。
具体的には、レシートに明記されている品目を振り返って、買ってよかったモノには「○」、買わなければよかった(買わなくてもよかった)モノには「×」をつけていきます。そして、○のパターン、×のパターンを探っていきます。各パターン(原因)は、いわばあなたの買い物のクセです。
パターンの中身は人それぞれですが、原因がわかれば、そうならないよう具体策を立てることができます。A)買い物メモを持ってスーパーに行く B)ネットを使う時間帯を決める C)予算額を決める D)疲れているときは買い物に行かない等、改善につながるよう具体的な行動目標を立てるわけです。
【 相談者 】
「そうした行動を長続きさせるコツはありますか?」
【八ツ井さん】
ムリは禁物、できたらラッキーくらいの気持ちで。
行動目標を立てても、達成できるかどうかは別。こちらも定期的な振り返りが大事です。コツは2つ。達成できないような厳しすぎる具体策は避けることと、決して自分を責めないことです。できなくて当たり前、できたらラッキーくらいでいいでしょう。何もしないより、ちょっとでも改善すれば、時間はかかっても必ず家計はよくなっていきます。
少しずつムダ遣いが減れば、日々の買い物の満足度が上がっていきます。そうなれば「お金」は悩みのタネではなく、人生をよりよくしてくれるツールとなるでしょう。気長に、でも着実に取り組んでいただけたらなと思います。
【回答者プロフィール】
回答者/八ツ井 慶子さん
生活マネー相談室代表。家計コンサルタント(FP技能士1級)。
大学卒業後、信用金庫勤務を経て、2001年4月より「家計の見直し相談センター」の相談員としてFP活動を始める。13年7月に独立し、「生活マネー相談室」を設立。個人相談を中心に、講演、執筆、取材などの活動を展開。これまで1000世帯を超える相談実績をもつ。
<関連記事>