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パルシステムの健康・おうえんナビ
10月のびぃあらいぶぷらす
今月のポイント!
- お金の価値を正しく理解し、活用できる力を身につけさせるのが基本
- 「現金」でお金に慣れて、「電子マネー」で安全に使う
- 変化にあわせて、親も新しい情報を学び続けるのが大切
キャッシュレス時代の子どもとお金
2019年の消費税増税、2020年のコロナ禍により、日本のキャッシュレス化が大きく進みましたが、それは子どもにとっても例外ではありません。二次元コードによるスマホ決済や交通系ICカードなどの「電子マネー」は、残高を事前にチャージしておくプリペイド型なので、クレジットカードを作れない18歳未満でも利用できます。子どももキャッシュレス決済を利用する機会が増えており、それに対応したお金の使い方を教えていく必要があります。
子どもにとって、お金との付き合い方は将来必ず必要となるスキルです。とはいえ、親自身も変化のスピードに戸惑うなか、子どもへどう伝えればよいか悩むことも多いのではないでしょうか。
子どもに持たせるなら「現金」「電子マネー」どっち?
現物を見て触れる「現金」と、そうではない「電子マネー」という2種類のお金の扱い方は、どのように子どもに伝えていけばよいのでしょうか。
まずは、おこづかいやお年玉で、与えられた範囲でやりくりする経験をさせてあげましょう。「手持ちの金額を正しく把握する」「先々のことを考えて使う」「買えないものは我慢する」といった体験はとても重要です。
現金は目に見える形で残りを把握しやすいため、最初の教材としては優れているかもしれません。対して電子マネーによるキャッシュレス決済は「何に使ったのかが記録に残り、親子で一緒に支出を確認し使い道を考えられる」「紛失した場合は遠隔操作でスマホ自体にロックをかけたり、電子マネーのアカウントを使用停止することで被害を防げる」というメリットがあるので、子どもが現金の扱いに慣れたら、キャッシュレス決済に移行させた方が安全で便利でしょう。
親が日々使う姿を見せることが最大の教育
金銭教育は、学校の勉強のように学年や年齢で区切るのではなく、子どもの理解度や日常生活のなかでのタイミングを捉えることが大切です。子どもが小さいうちは、親が実際に買い物をする場面を見せることが最大の教育ではないでしょうか。その際、なぜその支払い方法を選んだのか、どのような支払い計画を立てているのかも併せて子どもに伝えると、より理解が深まるでしょう。また、お金のあり方はこれからも変化していきます。古い価値観で子どもの成長を妨げないよう、親自身も新しい情報を学び続けることも重要です。
お金の価値に現金と電子マネーの違いはありません。どちらをどのように使うにせよ、「価値」を正しく理解し活用していく力が必要です。逆に、その力があれば今後お金のあり方がどのように変わっても困ることはないでしょう。
【筆者略歴】
筆者/井上 美鈴さん
ライフシンフォニア代表 AFP(日本FP協会認定)
3年間の専業主婦を経て離婚。主婦時代にさまざまなお金の問題に直面し、お金の重要さと知識の必要さを実感したことで、ファイナンシャル・プランナー(FP)の資格を取得。
現在はFPとして個別相談の対応や講演、セミナーなどを実施するとともに、自身の経験をもとにシングルマザーの支援も行っている。