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パルシステムの健康・おうえんナビ
家族の健康レシピ
「ねばねば」は食物繊維の一種。お通じを促して、お腹すっきり。
長芋といえば、とろりと糸を引くあの粘り。その正体は主にマンナンなどの多糖類とアミノ酸がつながった食物繊維の一種です。水に溶けるとねばねばになり、お腹にたまった余分なものを吸着して排出する作用があります。また、ねばねば系のいもならではの特徴として、でんぷんの消化を促す消化酵素・ジアスターゼも含んでいます。腸内環境は、いわば体調のバロメーター。日ごろから整えることを意識しておきたいですね。
長芋はその他のいも類と同じように、エネルギー源になります。代謝に関わるビタミンB群も含んでいることから、効率よくエネルギーにかえるので、滋養強壮のイメージに結びつきやすいのにも納得です。
薬膳の世界では、エネルギーを補う生薬としても重宝されます。
薬膳の世界において、「生きるためのエネルギー」という意味をもつ「気」。長芋にはこれを補う「補気(ほき)」の効能があるとされており、乾燥させた「山薬(さんやく)」は、「補気薬(ほきやく)」として用いられます。
また、空気の乾燥が気になる時季は、からだの中でもとくに「肺」が影響を受けがちです。「肺」が弱ると、呼吸器系の不調による咳や肌荒れなどの症状につながってしまうことも。長芋には「潤肺(じゅんぱい)」という肺を潤す効能があるとされているので、乾燥による不調が気になる方は取り入れてみてください。
【長芋の薬膳としての主な効能】
「健脾(けんぴ)」…弱った「脾」の働きを高める
「補気(ほき)」…エネルギーの素である「気」を補う
「滋陰(じいん)」…からだに必要な水を補い熱を冷まし、潤す
「潤肺(じゅんぱい)」…「肺」を潤す
「和胃(わい)」…「胃」の働きを調整する
「調中(ちょうちゅう)」…消化を促し整える
【長芋の主な栄養素/栄養成分】
食物繊維…腸内環境を整える
消化酵素(ジアスターゼ)…でんぷんの消化を促す
カリウム…余分なナトリウムの排出を促す
パントテン酸…糖質や脂質の代謝に関わる
ビタミンB1…糖質の代謝に関わる
ビタミンB6…たんぱく質の代謝に関わる
すりおろせば、ねばねばパワーがさらにアップ。
きざめばシャキシャキ、煮ればホクホクの食感が楽しめる長芋ですが、栄養素を最大限に生かすなら、やはり「とろろ」がおすすめです。すりおろすことで長芋の細胞壁が壊され、「ねばねば」はさらにアップ。とろろを冷凍したものや、パウダー状にした加工品を使ってみるのもいいでしょう。ソースとして肉や魚にかけるだけで、栄養価の高い一品になります。ただし、消化酵素は加熱したり冷凍したりすると失われてしまうので、お腹をしっかりいたわりたいという方は、おろしたてを楽しんでみてくださいね。
今月のおすすめレシピ
- 栄養情報の監修 清水加奈子さん
フードコーディネーター・管理栄養士・国際中医薬膳師。調理、スタイリングからカロリー計算されたレシピの作成、アイデアレシピの提案、栄養関連の監修などを行う。