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パルシステムの健康・おうえんナビ
8月のびぃあらいぶぷらす
夫がうつ病で休職することになり、今後の収入と家計が不安です
昨年秋、夫が人事異動となりました。これまでと業務が大幅に変わったそうで、プレッシャーのためか睡眠不足が続き、先日うつ病と診断が下されました。医師の勧めもあり、職場とも相談し、体調回復を優先するためにしばらく休職することになりました。
夫の体調管理が最優先であることはもちろんなのですが、休職中の家計がとても不安です。共働きとはいえ、子どもがまだ小さいので、私は時短勤務のためフルタイムと比べると収入は減っています。
できる限り無駄な支出は抑えたいと思っていますが、何か気を付ける点はありますでしょうか?
●相談者
32歳/女性/共働き 家族構成…夫(34歳・会社員)、息子(保育園)
「目の前のこと」と「少し先のこと」をバランスよくみて
ご主人様が療養中とのこと、心よりお見舞い申し上げます。
お子さんが小さい間は保育料負担に加え、妻の時短勤務があると、どうしても家計の負担は増えてしまいます。さらに夫の療養も重なれば、おそらくご結婚以来、もっとも収支がひっ迫している場面を迎えられているのではないかと推測されます。そういう意味では、家計にご不安を感じるのもムリはないかと思います。
そのような状況ですが、「いま目の前の収支管理」と「少し長い目で見た場合の状況の変化」の両方をできるだけバランスよくみていただけると、少しお気持ちが楽になるのではないでしょうか。
「傷病手当」と、勤め先の福利厚生制度を確認しましょう
まず、目の前の収支管理についてですが、夫は会社員でいらっしゃるので、健康保険の「傷病手当」を休職中に受け取ることができます。突然に無収入に陥ることはありません。
手当の金額は、ざっくりいうと、ひと月あたりの平均月収の3分の2ほどです。非課税で受け取れますので、場合によってはそれほど手取り収入は減らないかもしれません。
傷病手当は最長1年6カ月受け取ることができますが、万が一1年6カ月を超えても働けない状態が続いたら、公的年金の障害年金の受給要件に該当する可能性が出てきます。
いずれにしても、社会保険制度によって会社員の方は急に無収入にならないようになっています。また、ご勤務先の福利厚生に休職中の給付制度がないかも、あわせて確認されるといいでしょう。
補足すると、傷病手当は国民健康保険に加入する自営業の方にはない制度です。日本の社会保険制度は「勤め人」と「自営」でかなり差があるのですね。
教育費と働き方に目を向けて、先々の家計を強くする計画を
次に、少し長い目で見た場合の状況の変化についてですが、ポイントはお子さんの教育費負担と妻のフルタイムへの復帰です。
教育内容へのお考えもあるとは思いますが、仮にお子さんが公立小学校に就学されれば、教育費負担はいまよりも減少するでしょう(塾や習い事しだいの面もありますが)。
重ねて妻がフルタイム勤務に戻れば、家計の収支はグッと改善されます。もちろんフルタイムに戻るタイミングの問題はありますが、収支が大きく改善する状況となる期待は十分に持てるでしょう。そのときに夫の体調もよくなっていれば、あらためてダブルインカムの恩恵をしっかり受け取れる家計に変わっているでしょう。
いまのご状況だと、どうしても不安が重なりがちだと思いますが、いまはしばしの辛抱時といい意味で割り切っていただいて、ぜひ夫の体調回復を最優先していただきたいなと思います。
身体的な健康と心の健康は両輪です。生きていくうえではどちらもとても大切な“基本”となる部分ですから、そういうときこそ笑顔を忘れず、家族一丸となって乗り切ってください。陰ながら応援しています!
【回答者プロフィール】
回答者/八ツ井 慶子さん
生活マネー相談室代表。家計コンサルタント(FP技能士1級)。
大学卒業後、信用金庫勤務を経て、2001年4月より「家計の見直し相談センター」の相談員としてFP活動を始める。13年7月に独立し、「生活マネー相談室」を設立。個人相談を中心に、講演、執筆、取材などの活動を展開。これまで1000世帯を超える相談実績をもつ。