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パルシステムの健康・おうえんナビ
家族の健康レシピ
「生」には食材のくさみ消しや殺菌作用が。「加熱」で温めパワーがアップ。
生のしょうがに多く含まれるのは、ジンゲロールという辛み成分。肉や魚のくさみをとったり、殺菌や血流促進の作用があったりするとされています。おろしたときにふわっと広がる爽快な香りはジンギベレンという成分で、食欲不振を改善する作用があるとされています。
一方しょうがを加熱すると生成されるのが、ショウガオールやジンゲロンという辛み成分です。からだを芯から温め、さらにそれを持続させるのが特徴で、からだの巡りを促し冷え改善につなげるとされます。また、ショウガオールやジンゲロンには体脂肪を糖質などに分解して、運動時の脂肪燃焼を助ける作用があるともいわれています。
薬膳の世界では、しょうがには2つの呼び名があります。
生のときと加熱時で、効能が変化するしょうが。薬膳の世界では生の状態は「生姜(しょうきょう)」、加熱して乾燥させた状態は「乾姜(かんきょう)」と明確に区別され、その効能は以下のように捉えられています。
●生姜(しょうきょう)
主な効能は「解表(げひょう)」。これは発汗を促し、からだに入り込もうとする「邪気(じゃき)」(からだの外から受ける不調のもとになるもの)を取り除くというもの。不調が悪化する前の、初期段階での症状を和らげるとされています。ほかにも、「解毒(げどく)」「止嘔(しおう)」(吐き気を和らげる)の効能があるとされています。
●乾姜(かんきょう)
加熱と乾燥によって、「生姜」のからだを温める作用が高まっているとされています。おもな効能は「温中(おんちゅう)」「散寒(さんかん)」で、これはからだを芯からしっかり温め、「寒邪」(寒さによる不調のもと)を取り払うというものです。また、肺などの呼吸器官の機能を高めせきなどの症状を軽減する「化痰(けたん)」「止咳(しがい)」などの効能があるとも。この「乾姜」は生薬(しょうやく)としても大変有名です。
【しょうがの主な成分・栄養素】
ジンゲロール(辛み成分)…食材のくさみをとる、殺菌・抗菌作用など
ショウガオール・ジンゲロン(辛み成分)…からだを内部から温める、血行を促し免疫に働く、代謝を促し脂肪燃焼を助ける
ジンギベレン(香り成分)…胃の状態を整える、吐き気を和らげる
食物繊維…腸内環境を整える
カリウム…余分な水を排出し、むくみ改善につなげる
【しょうがの薬膳としての主な効能】※は生姜(しょうきょう)のみの効能
解表(げひょう)※…からだ表面にとりついた「邪」(不調のもと)を取り除く
解毒(げどく)※…からだに体積した老廃物や不調のもとを取り除く
止嘔(しおう)※…吐き気などを和らげる
温中(おんちゅう)…「脾(ひ)」「胃」を温め、その働きを高める
散寒(さんかん)…からだを温めることで「寒邪」などを取り除く
化痰(けたん・かたん)…水の巡りを整えて、せきや痰などを和らげる
止咳(しがい)…せきの症状を和らげる
健脾(けんぴ)…「脾」の働きを整える
しょうがの効果的な加熱方法は「じっくり」。
しょうがの辛み成分は時間とともに失われるので、すりおろしたあとは早いうちに食べるのがおすすめです。加熱するなら、「じっくり」が大切なポイント。ショウガオールやジンゲロンは長時間蒸し加熱することで増えるとされています。忙しくて蒸す時間がないという人は、スープなどに入れて煮込むときやフライパンで炒めるときなどに、いつもよりじっくり時間をかけて加熱するように心がけてみてください。
今月のおすすめレシピ
- 栄養情報の監修 清水加奈子さん
フードコーディネーター・管理栄養士・国際中医薬膳師。調理、スタイリングからカロリー計算されたレシピの作成、アイデアレシピの提案、栄養関連の監修などを行う。