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家族の健康レシピ

12月の家族の健康レシピ トイレが近いと感じたら、
「腎(じん)」に足りない陽と陰を見極めて。

じつは若い女性にも多い「頻尿」の悩み。

年配の方に限らず、じつは30代の女性の悩みにも多い「頻尿」。トイレの回数が増えた、残尿感がある、ちょっとした拍子に漏れやすくなったなどの症状はありませんか。これにはさまざまな原因が考えられますが、薬膳では「腎」をいたわることで、ある程度の改善につながると考えられています。「腎」はからだの水分をコントロールし、尿の排泄や、固摂(こせつ)といって尿が漏れ出るのを防ぐ役割を担っています。冷えや加齢などによって「腎」の機能が落ちると、コントロールがうまくできずに先に挙げたような症状につながってしまうのです。

自分のタイプを知って、食材選びを。

頻尿を「腎」から考えるとき、自分が「腎陽虚(じんようきょ)」なのか「腎陰虚(じんいんきょ)」なのかを知っておくとよいでしょう。「腎陽虚」は、「腎陽」(=活動的なエネルギーのようなもの)が足りないことで「腎」がうまく働かず、からだを温めることや、固摂(こせつ)作用などに不調がでる状態。水分調節がうまくできていないため冷えやむくみを伴っており、尿量は少な目でも回数が多い傾向にあります。女性に多いタイプです。食材は、「補腎(ほじん)」のなかでもしっかりとからだを温める「腎陽」のものを選びましょう。
いっぽう「腎陰虚」は、「腎陰」(=血液や水分、潤い)が足りないことで「腎」が消耗している状態。負担が続くと尿を維持する力が弱まり、昼夜問わず回数が多い傾向に。不規則な生活や加齢などが原因とされます。食材は「腎」をいたわるもの、とくに黒い食べ物や「鹹味(かんみ)」(=ミネラルを含むもの)の食材がおすすめです。なお、「鹹味」はからだを冷やす働きのものが多いので、「腎陽虚」の方は避けましょう。

●「腎陽虚」タイプにおすすめ

【からだを温め、とくに「腎」の働きによい「温陽補腎(おんようほじん)」の食材】
鶏肉、栗、羊肉、えび、にら、くるみ、八角、酒など

【からだを温める「温性」の食材】
羊肉、鶏肉、えび、しょうが、シナモン、にらなど

●「腎陰虚」タイプにおすすめ

【「腎」の働きを補う「補腎」の食材】
黒ごま、レバー、あわび、あさり、しじみ、いか、牡蠣など

【「腎」の働きを補う「鹹味(かんみ)」の食材】
のり、昆布、海草類、なまこなど

【とくに「腎」によいとされる黒い食材】
黒豆、黒米、黒きくらげ、黒ごま、海草類など

「腎」のほかにも、さまざまな原因が考えられます。

頻尿の原因には、「腎」の機能低下のほかに、ストレス(長時間トイレに行けないという不安感など)や冬の寒さ、アルコールの摂取など、環境や生活習慣が原因のことも多くあります。どれも一過性のものだと考えがちですが、放っておくと慢性的な症状へとつながるため注意が必要です。また女性の場合、単純に水分のとり過ぎが頻尿につながっていることも。冷たいものを避け、利尿作用のあるコーヒーや緑茶、また寝る前の水分の量を調整してみると、悩みが軽くなるかもしれませんね。

今月のおすすめレシピ

「腎」をいたわるレシピをご紹介。

『海鮮にらチヂミ』など、おすすめのレシピはこちらでチェック!
パルシステムのレシピサイト『だいどこログ』

 
  • 栄養情報の監修 清水加奈子さん
    フードコーディネーター・管理栄養士・国際中医薬膳師。調理、スタイリングからカロリー計算されたレシピの作成、アイデアレシピの提案、栄養関連の監修などを行う。
 

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