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体に優しいイメージのある漢方薬。更年期症状にも効く？
こんにちは、負けないカラダ調査隊（※）の康子です。前回はHRTと呼ばれるホルモン補充療法について、東京医科歯科大学准教授の尾林聡先生にお話をうかがいました。HRTで治療を開始した友だちが漢方薬も飲み始めたという話を聞いたんだけれど、漢方で症状を緩和することってできるのかしら？ 漢方って、身体に優しいイメージもあるし、わたしも興味津々。漢方と更年期症状のこと、調べてみようと思います。
漢方薬と西洋薬の違いはなに？
そもそも漢方薬と西洋薬の違いってなんなんだろう……。複数の生薬を組み合わせた漢方薬は、慢性的な病気や全身的な病気の治療などに効果を発揮するそう。一方、西洋薬は人工的な化学合成品を主とした単一成分で作られているため、ひとつの症状をターゲットとして、その症状を抑えるために強力な力を発揮するんですって。これが、よく西洋薬は「対症療法薬」といわれ、漢方薬は「体質改善薬」と呼ばれる理由なのね。
体質改善や体全体を整えることを主眼とする漢方は、とくに女性特有の慢性的な症状が得意分野とも聞くし、副作用も少ないらしいから、更年期症状の緩和には頼もしい味方なんじゃないかしら？ でも、即効性があるのかが少し心配。ツライ症状を抱えながらせっかく薬を飲んでいても、いつまでたっても効かないんじゃ、やっぱり心が折れちゃうもの……。
漢方薬は女性特有の症状を緩和するのが得意
更年期症状緩和に漢方薬を使うための正しい情報を知りたいので、専門家である東京医科歯科大学准教授の尾林聡先生にお話をうかがうことにしました。
「漢方薬を使っている方はとても多いですよ。HRT治療と併用されている患者さんもいらっしゃいます。とくにHRT治療に稀に伴う出血などの副作用を気にする方は、漢方を好まれることが多いようです」
尾林先生によると、漢方は女性ホルモンを外から補うHRT療法とは異なる作用で更年期症状を緩和するのだとか。よく使われる薬とその効果をまとめてみると以下のようになりました。
- 当帰芍薬散（とうきしゃくやくさん）
更年期障害に伴う疲労感、貧血、冷え、頭痛、頭重、めまい、動悸などを和らげる。 - 加味逍遥散（かみしょうようさん）
更年期障害や自律神経失調に伴う不安、不眠、いらいらなどの症状と肩こり、頭痛、頭重、めまい、上半身の熱感、下半身の 冷えなどの症状を和らげる。 - 桂枝茯苓丸（けいしぶくりょう がん）
更年期障害に伴う頭痛、めまい、のぼせ、肩こり、足の冷えなどを和らげる。
「HRTは多くの患者さんの場合、4、5日で効果が現れるという“キレのよさ”が特徴ですが、漢方薬の場合は、症状が緩和するのに数週間かかることもあります。けれども、副作用の心配がなく、全身的な不調に効くというメリットがあります」
先生に教えていただいた漢方とHRTそれぞれのメリットを表にしてまとめてみました（上表）。
漢方薬とHRT、それぞれのメリットを生かして治療する
更年期症状緩和のために使われる漢方、HRTともに、それぞれメリットがあるということがよくわかりました。「HRTだけ」、「漢方だけ」ととらわれずに、まずは婦人科のドアを叩いてみることがなによりも大切なことなのかもしれませんね。
それぞれの体質や症状にいちばんあった方法を、先生と相談しながら見つけていくことが必要。だって、更年期だからって身体も心もブルーなまま過ごすのは、もったいないですもの。
＜監修＞
東京医科歯科大学 周産・女性診療科（産科・婦人科学） 准教授 尾林 聡先生
中高年女性の健康管理を専門とする外来を設け、QOL を主眼とした治療を行い、DEXA法による骨量測定、ホルモン補充療法などを行っています
（2013年11月13日掲載、“カラダ日和”より）
- ※負けないカラダ調査隊って??
パルシステム健康Web“カラダ日和”で活躍した“美にこだわる”麗子（れいこ）・“病気が心配な”康子（やすこ）・“日々の生活が大事な”環子（たまこ）の3人組のことです。カラダ日和では、3人それぞれが興味を持ったテーマについて調査し、調査結果をご報告してきました。
『パシスルテムの健康・家計おうえんナビ』では、「負けないカラダ調査隊」の調査結果から、人気があった記事を厳選して公開していきます。お楽しみに！ - ※パルシステム健康Web“カラダ日和”は2016年3月31日をもちましてサービスを終了させていただきました。サービス終了に関するご案内はこちら
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