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閉経間近の出血と不正出血の差がわからない!?
こんにちは、負けないカラダ調査隊(※)の康子です。最近の悩みは足がむくんでつらいこと。主人に話したら、「季節の変わり目だからだろ」ですって! 女性の身体は、男性みたいに単純じゃないんですからね!
同じ悩みをもつ友人は、最近閉経したのをきっかけに、生薬をベースにした市販薬を飲み始めたとか。更年期の症状を緩和してくれるそうだけど、しばらく飲み続けないと効果は出ないとも聞くし、自己流で薬を飲むのはちょっと不安。友人は飲み始めたら、ちょっと出血があったって言っていたけれど……。
こういう出血って、「薬のせい」ってことで放っておいても大丈夫なのかしら? 閉経のときって生理が不安定だから、最後の生理なのか不正出血なのか、みんなわからないんじゃないかなあ?
更年期前後は“子宮がん世代”!?
友人の話が気になって、彼女が飲んでいる薬の作用を確認してみました。すると、ホルモンバランスから起こる不調を改善する働きのなかで、出血することがあることが書いてありました。ということは、友人の場合は大丈夫なのかしら……。でも、出血が長引く場合は、別の原因による出血の可能性もあるので、医療機関を受診するようにとも書いてあるわ。
女性の出血でもっとも心配なのが、子宮がんよね。インターネットで調べてみると、40~50歳代女性の罹患がピークというデータを見つけました。最近は子宮頸がんの名前もよく聞くし、熟年層は子宮体がんが心配って雑誌で読んだこともあったっけ。グラフを見ると、私もまさに“子宮がん世代”。やっぱり出血って怖いんだ……。
更年期世代が気をつけたい子宮がんってあるの?
更年期世代の子宮がんについて、東京医科歯科大学周産・女性診療科准教授の尾林聡先生にお話を伺いました。
「子宮がんには、子宮頸がんと子宮体がんがあります。子宮頸がんは20~40歳代に、子宮体がんは40~60歳代に多いんですよ」と尾林先生。初期の子宮頚がんは婦人科検診で見つかることが多く、子宮体がんは不正出血などをきっかけに発見されることが多いそうです。
また、子宮頸がんが性交渉によるパピローマ・ウイルス感染を原因とするのに対して、子宮体がんは女性ホルモンの影響を強く受けるがん。そのため、好発年齢も考えると、身体が変化する更年期前後の世代が要注意な疾患と言われているそうです。
しかも、友人の出血の話をしたら、「更年期外来でホルモン補充療法などをする場合は、出血があっても子宮体がんかどうか医師がチェックしていくのでよいのですが、医師として怖いのは、市販薬を自分で飲んでいる人で出血があった場合、これが更年期のホルモンバランスの乱れよるものなのか、子宮がんによるものなのか、わからずに見過ごされてしまうケースです。更年期だから不正出血があっても大丈夫ということはありません。がんの可能性が高い世代だけに、自己判断せずに気になる出血があったら受診するようにしましょう」と尾林先生。
……やっぱりがんの可能性もあるんだ。
調査隊から更年期世代のみなさんへ
いかがですか? 更年期の症状を緩和してくれる市販薬の中には、身体に影響を与えるものがあるかもしれませんので、くれぐれもご注意ください。いずれにせよ、更年期の不正出血にはお互い気をつけましょうね!
お産以来、産婦人科には行かなくなってしまった人も多いかもしれないけど、更年期世代にさしかかったら、何かあったときにすぐ気軽に受診できるような産婦人科のかかりつけの先生がいるとなお心強いと思いました。
<監修>
東京医科歯科大学 周産・女性診療科(産科・婦人科学) 准教授 尾林 聡先生
中高年女性の健康管理を専門とする外来を設け、QOL を主眼とした治療を行い、DEXA法による骨量測定、ホルモン補充療法などを行っています。
(2013年5月27日掲載、“カラダ日和”より)
- ※負けないカラダ調査隊って??
パルシステム健康Web“カラダ日和”で活躍した“美にこだわる”麗子(れいこ)・“病気が心配な”康子(やすこ)・“日々の生活が大事な”環子(たまこ)の3人組のことです。カラダ日和では、3人それぞれが興味を持ったテーマについて調査し、調査結果をご報告してきました。
『パシスルテムの健康・家計おうえんナビ』では、「負けないカラダ調査隊」の調査結果から、人気があった記事を厳選して公開していきます。お楽しみに! - ※パルシステム健康Web“カラダ日和”は2016年3月31日をもちましてサービスを終了させていただきました。サービス終了に関するご案内はこちら